2024年11月のお知らせ
『同じチャートパターンでも優位性の強度が全く違う!強さの測定方法と考え方/ちゃんと理解してますか?意外と奥が深いダウ理論とトレンド転換』を配信しましたのでご確認お願いします。
FXで旅費を稼ぎながら全国を旅するトレーダーの手法
Contents
トレードの目的
勝率や年利・月利などトレーダーが気にする指標には色々ありますが、その中でも特に初心者が意識している指標の1つに取引回数があります。FXでスキャルピングやデイトレードなどを始めたばかりの超初心者が最初に気にする指標ランキングのトップは勝率、その次に月利だと思いますが、その次ぐらいに取引回数が来ます。
特に私が長年FXを教えて来た中で最も多かった質問が…
1日に何回チャンスありますか?
のような取引回数に関することでした。
初心者を対象にちゃんとしたアンケートを採ると、もしかしたら勝率や月利、どれぐらい稼げるか?より取引回数の方が重視されているでは?と思う程。
稼ぐことより取引することが目的になっている…これはある種ギャンブル中毒になっている可能性が高い。
JITTERIN’JINN プレゼント(1993)
そうじゃなければ、FXを覚えたばかりでとにかく早く色々試してみたい人かも知れません。FXの仕組みは理解した。税金についても勉強した。節税対策も考えた。将来はケイマン諸島にペーパーカンパニーを作ることまで考えた。
証券会社にクイック入金し、なんとなくロングしたりショートしたりした。
最初は上手くいった。負け知らずだった。
ところが…不思議なことに段々勝てなくなる。何故だ!
為替が私にくれた物~無駄に増えた税の知識~♪
目に付いたウロコ
ここで大体の人がトレード本を読み始めます。今ではYouTubeかも知れませんが、そこで損切りの存在を知り…そうだったのか!トレードとは勝ったり負けたりしながらトータルで利益を残して行くものなのか!
と目からウロコが剥がれ落ちます。このウロコには個人差があり、中には一生剥がれ落ちない人もいます。
さて、損切りを覚えると次は勝率やR倍数、プロフィットファクターなどを気にするようになります。
損小利大のようなイデオロギーもここで覚えます。
短期トレードで稼ぐには…利益を積み上げるには…優位性のあるポイントで…期待値がプラスの取引だけをひたすら繰り返すことが重要なんだ!
1回1回のトレード結果は重要じゃないんだ!
ということが分かったところで、次は…
じゃあ優位性があるとか期待値がプラスってのはどうやって判断すればいいんだ?
ってなりますよね。
3回の取引で100万円!
とある手法を使って3回取引した。結果はプラスだった。じゃあこれをもう3回やれば同じ結果が得られるか?これはたった3回の取引で100万円稼いだ手法です!凄いでしょ!?みなさんもこの手法を使って稼いでください!
と言われたとき違和感抱きませんか?ここで違和感を抱けない人はちょっとマズいかも知れません。
はい。サンプル数が余りにも少な過ぎますよね。
いや~たった3回って…それ、偶々でしょ?次の3回も同じ結果になる保証、どこにもないし…
って思うのが正常な知能の持ち主ではないかと思います。
そこでトレード回数・取引回数と言うことを意識し始めるんですね。
化学、物理、医療の実験でもそうですがサンプル数の多い方が信憑性高い、再現性があると言えますよね。
内容にも依りますが、1回実験しただけで「上手く行きました!」と言われても、それを学会で発表するのは気が引けますよね。
マーケティングとかで…
最近の流行について渋谷の女子高生10人にアンケート採りました!
と言われても、メチャクチャ偏ってそうでその結果を参考に企画を考えようとは思いませんよね。いや、もっと多くの人に聞いてきてよ…って思いますよね。
それと同じでFXに関しても…
トレード回数の多い手法の方が誤魔化しが少なく信頼性も高い!どんな相場環境でも機能する普遍的な感じするし!
って考えるのではないかと。
学生時代に習った大数の法則なんて言葉を久々に思い出したりして…
結果を期待値に収束させるためには大数の法則を働かせる必要がある。そのためには標本数が多ければ多い程よい。
のように考えるのではないかと。
目的を見失う
標本数は多い程よい…いや、ちょっと待ってください。そもそもそんな1日に何度も期待値プラスの状況が発生するのでしょうか?大数の法則に拘る余り目的を見失ってませんか?
「いや、そんなことない。テレビで観たぞ。超高速スキャルピングだかで、1秒間に何度も取引をするコンピュータの姿を!」
「その担当者が『1時間先の値動きは読めないけど0.1秒先なら読める』とか言ってたぞ!テレビがウソを報道する訳が無い!」
(あちゃー…)
確かに作ろうと思えば作れますよ。そういうEA。ですがみなさんご存知かと思いますがFXにはスプレッドがあります。
1秒以内にスプレッド以上の値動きをしないことの方が多いのに、どうやって1秒間に何度も利益を積み上げるのでしょうか?
例えばドル円のスプレッドが0.3pipsだったとして、1秒間に0.3pips以上動かなかったら絶対に稼げません。ましてやそれを1秒間に何度も繰り返すなど。
「じゃあテレビがウソだっていうのか!?」
まぁウソでしょうね(断言)
その番組スポンサーに証券会社がいたことに気付きませんでしたか?
為替取引に興味を持たせる為、FX業界を盛り上げるためのプロパガンダでしょう。
又は今流行りの新NISAのように、上りに上がった株を売却するため、普段取引きしないような未経験者を税制優遇などでマーケットにおびき寄せる…のような思惑があったのかも知れません。
いずれにしろ、もし実際にそのような取引をやっている所があるとしたら、ある程度マーケットを動かす資金力のあるファンドなどで、我々個人投資家には無縁の話です。
何故ならそんな短時間に何度も期待値がプラスになるような優位性は自然発生しないからです。
1pipのコスト
繰り返しますがFXにはスプレッドがあります。取引所取引はもちろん、店頭取引(相対取引)でもスプレッドありますよね。要は売り注文と買い注文のギャップで、株や商品先物にもありますが。このスプレッド、稼ぐ値幅が狭ければ狭い程コストとして重く圧し掛かってきます。
スプレッドが1pipだとして、100pips稼いだ時そのコストは1%ですが、10pipsなら10%にもなります。消費税と同じですね。
スプレッドゼロの証券会社もありますが、その代わり手数料が掛かります。
このような不利な状況を覆すような優位性が1秒間に、いや1日に何度も出現すると思いますか?
ドル円の値幅ですが1日に100pipsにも満たない日が殆どです。50pips以下であることもザラです。
これだけでも秒速スキャルはもちろんの事、単一ロジックで1日に10回20回も取引することが、如何に非現実的か?ということが分かるかと思います。
繰り返しますが、単に取引回数を増やすだけなら出来ますよ。ここで言っているのは、そんな頻繁に優位性は発生しないと言うことです。
みなさんはギャンブル中毒では無いので、取引することが目的ではありませんよね?
健全な取引回数(デイトレ)
では現実的なトレード回数はどれぐらいなのか?単一ロジック、単一の手法であれば1日に5回が限界でしょう。かなり無理をして5回、現実的なのは3回ぐらいで、それでも平均値としては多いと思います。1度も優位性が発生しない日も当然ありますので。
これは私が長年裁量トレードやEA開発をした経験上の話で、違う見解を持つトレーダーも当然いると思いますが。
ということで、今回は初心者からの質問が多い取引回数について私見を述べてみました。
取引することが目的になりそうなとき、ギャンブル中毒になりそうなとき今回のお話を思い出して頂ければと思います。
私の開発したEAのコンセプトと運用ポリシー
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