EA職人のEA講座【026】再現性のあるEAとは?インジケーターを使うEAの危険性(前編)



2024年12月のお知らせ 『取引通貨ペアの先行指標(通貨)を探して優位性を高める方法/価格帯レシオをFXに取り入れて優位性を高める方法』を配信しましたのでご確認お願いします。

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何故インジケーターを使うのか

EAの開発に於いて基本のキとなるのは過去の生データに基づいて開発されたことはもちろんの事、過剰最適化されていないことが挙げられます。


過剰最適化されていないことを証明するのは難しいですが、その裏付けとして参考になるのはルールのシンプルさです。

再現性のあるEAについて更に考察を勧めるとインジケーターを多用していないことが挙げられます。

裁量でもそうですが、インジケーターを使ってトレードしている方に質問があります。

何故そのインジケーターを使っているのか、その根拠を合理的に説明出来ますか?

「いや、このインジ使うと、理由は分からないけど過去データで上手く稼げるんだよね。知らんけど」

質問する側の立場になって、このような回答を返されたらどう思いますか?

それ、再現性あるの?そんなんで将来的に稼ぐこと出来るの?

って思いますよね。

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特に複数のインジケーターを使っているトレーダーに問いたいのは…


4本値をベースにしたローソク足だけでもトレードは出来るのに、何故インジケーターを多用するのか?

この世に存在するインジケーターの90%以上が4本値を基に再計算した物に過ぎない。 ローソク足は生鮮食品。インジケーターは加工食品。

何故その組み合わせなのか?

パラメータに関しても同じです。


移動平均線ひとつとってもパラメーターの組み合わせは無限にありますよね。

単純移動平均線(SMA)、加重移動平均線(WMA)、指数平滑移動平均線(EMA)など他にもありますが、その中からどれを選ぶのかを決めたら…

期間をいくつにするか決めますよね。25にするのか75にするのか200にするのか…

ここまでは一般的なパラメータですが、適用価格に関しても選ぶことがあります。

「Close」 終値、「Open」 始値、「High」 高値、「Low」 安値、「Median Price(HL/2)」 高値と安値の中間値、「Typical Price(HLC/3)」 高値+安値+終値の1/3、「Weighted Close(HLCC/4)」 高値+安値+終値+終値の1/4…

最も有名でシンプルだと思われている移動平均線でこれです。もっと複雑で組み合わせが多いインジケーターもザラでしょう。

そんなインジケーターを3つも4つも重ねるなど…正気の沙汰ではありませんね。

トレードを始めたばかりの初心者がインジケータをいくつも重ねたがる気持ちは分かります。

チャート画面を複雑怪奇にすることで、なんか自分が凄腕トレーダーになった気分に浸れますからね。

ローソク足が見えなくなるぐらいインジケーターを重ねて、その画面をキャプチャしてSNSにアップして…

「どうだ!俺ってこんなに分析してるんだぞ!おまいらには理解出来ないだろ?(俺も理解してないけどな)」

みたいな感じでしょうか。

ということで、パラメータひとつ決めるだけでも…

様々な組み合わせがある中で、何故それにしたのか?その組み合わせは相場の原理原則に基づいた合理的な理由・根拠があり、再現性があることを確認して決めたのか?

何となく機能してそうとか、そんな理由で決めてませんよね?

って質問に答えられなければならないと。

ここで「だるい…考えたくない…逃げ出したい」って思ったらFXは向いてないのでやめた方がいいですw

最適化していない手法は存在しない

再現性のあるEAに話を戻します。


フォワードテストの結果がバックテストの結果と類似している事。

これは当たり前だと思いますが、完全一致を求めることは聖杯探しになりますので注意が必要です。

この講座では散々過剰最適化の危険性を訴えていますが、じゃあ全く最適化していないEAが存在するのか?というと、存在しません。

過去のデータを基に開発している以上、最適化をせずにプログラムを組むことは不可能です。

AIの自動売買も流行っていますが、あれがどうやってトレードをしているかご存知ですか?

ビッグデータですよね。ビッグデータとは何ですか?過去のデータですよね。

過去に起こった出来事と、その時相場はどう反応したのか?というデータを集め…

じゃあ次に同じことや似たようなことが起こった時、こうすれば稼げるんだな!

はい、もうこの時点で最適化してるってことにお気付きでしょうか?

過去こうしていれば稼げたから未来もそうする…

って考えた時点で、過去のデータに合わせて…つまり最適化して手法を開発していることになります。 ということなので、最適化されていないEAも無ければ手法も存在しないんです。

そして少しでも最適化している限り、過去と未来のトレード結果がピッタリ一致することもありません。

なので、フォワードテストの結果がバックテストと大きく乖離していなければ、それは「再現性のあるEA」の部類に入ります。

長くなってきたので続きは次回にしたいと思います。

私の開発したEAのコンセプトと運用ポリシー

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