EA職人のEA講座【006】聖杯EAを手に入れた!でも自分が運用すると全然稼いでくれない件



2024年11月のお知らせ 『同じチャートパターンでも優位性の強度が全く違う!強さの測定方法と考え方/ちゃんと理解してますか?意外と奥が深いダウ理論とトレンド転換』を配信しましたのでご確認お願いします。

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俺が運用した時に限って…

良さそうなEAを購入、又は自分で開発し、いざ運用を始めたら期待通りに稼いでくれない…

自動売買でポートフォリオを組んでいる運用者であれば、そのような経験が一度はあると思います。

原因のひとつに前回お話した過剰最適化の問題が考えられますが、それはフォワードテストの結果を見れば分かりますよね。

つまり、バックテストはもちろんフォワードでも問題なく稼いでいるEAなのに自分が運用を始めたら急に稼げなくなる…

この現象についてお話したいと思います。ちなみにみなさんはどのような原因を想像しますか?

EA選びの基準

さて、みなさんはどのような基準でEAを購入しますでしょうか?

開発者の方であれば「よし!このEAをリアルで運用しよう!」と判断するのはどのような時ですか?

恐らくですが、フォワードでガンガン稼いでる時なのではないでしょうか?

例えばデモ口座でEAを運用させていて、どんどん口座残高が増えているところを目の当りにしたらアドレナリンが分泌され…

「うわっ!凄い稼いでる!急いでリアル運用開始しないと!」

って気持ちになるのではないでしょうか?

で、いざリアルに移行したらフォワードで見せてくれていたようには稼げない…

「なぜだ!」

リアル運用開始のタイミング

このシリーズを最初からご覧頂いている方ならもう答えが見えているかと思いますが…

そう、運用開始のタイミングがドローダウンと重なってしまったってことです。

どんなに優れたEAでも手法でも必ずドローダウンは訪れるという話を第一回目の講義でしました。

つまりフォワードの結果がすこぶる良いということは、いつドローダウンが始まってもおかしくない状態ってことなんです。

逆に言うと、ドローダウン中にリアル運用を開始すると…

『ダメなEAかと思ってたけど、実際に運用を始めたら意外と稼いでくれてビックリ』

なんてことが起こったりします。

稼働タイミング考察

では、どうすればその悪いタイミングを避けることが出来るのか?

完璧に避けることは出来ませんが、フォワードの結果がバックテストよりも良い場合は注意が必要です。

全てのEAや手法に共通して言えることですが、バックテストや過去検証より良い結果になることは稀です。

一時的に爆益を叩き出したりすることはありますが、長期運用すればするほど殆どのEAや手法がバックテストの結果を下回ります。

この理屈が分かると、直近で爆益を叩き出したEAや手法はこれから大きなドローダウンが始まる…又はその可能性が高まっているってことが分かりますね。

これぞ聖杯手法?

以上のことが分かると…

「え?じゃあもしかしてドローダウンしてる時にEAのリアル運用を開始し、想定以上の結果を出し始めたら運用を止めてドローダウンを回避すればパフォーマンス上がるんじゃね?」

って発想が生まれますよね。

はい、実際にそうやって半自動売買で稼いでいる人もいます。

ですが、稼働と停止に関するベストのタイミングを事前に知ることは出来ませんので、やはりこれも裁量と同じで経験が必要になってきます。

バックテストの結果と比較した資金曲線やその他パフォーマンスとの比較。

例えば長期バックテストではPFが1.5なのに直近3ヶ月でそれが2を超えている…など。

裁量トレードの経験がある方でしたら、それに加えて相場の環境認識を行い、EAの稼働や停止のタイミングを計って精度を高めたりすることも出来ます。

最大ドローダウンを利用

また、最大ドローダウンを利用する方法もあります。

例えばそのEAの最大ドローダウンが50万円だったとします。

フォワードテストやデモ口座でドローダウンが40万円ぐらいになったタイミングでリアル口座運用へシフトすれば、仮に最大ドローダウンに巻き込まれたとしても10万円で済みますよね。

もちろん最大ドローダウンの値を更新する可能性も残りますが、何も考えずに運用を開始するよりはリスクが低い筈です。

裁量トレードで言うならば、押し目買い&高値決済のようなイメージです。

運用の押し目買い手法

但し、決済した後、つまりEAの稼働を止めた後も…

「動かし続けていればもっと稼げたのに!」

ってことは当然のように起こります。

裁量トレードでも決済した後、更に伸びて「持っておけばよかった!」ってことが起こりますよね。そしてその問題を完全解決することは出来ない。

自動売買でもそれは同じということです。欲を掻いて…

「全ての状況で上手く立ち回ってやろう」

とすると逆にパフォーマンスが下がり、成績も安定しません。これは裁量トレードでも同じですよね。足るを知る…です。

裁量も自動売買も根っこは同じ

ここまでのお話で、爆益を叩き出しているEAに飛び乗るのは、急騰している銘柄に飛び付く初心者と同じであることがお分かり頂けたかと思います。

なので、ガンガン稼いでいるEAを発見したからと言って…

「うわっ!乗り遅れちゃう!」

と脊髄反射ですぐ飛び付かず、バックテストなどのパフォーマンスと比較しながら冷静に分析し…

「よし大丈夫そうだ」

と思っても、すぐ稼働させるのではなく今回のお話を参考にデモ口座などを使ってリアルに移行するタイミングを計ると「俺が稼働すると何故か稼いでくれない!」という事態を避けられるかも知れません。

私の開発したEAのコンセプトと運用ポリシー






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