2024年11月のお知らせ
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FXで旅費を稼ぎながら全国を旅するトレーダーの手法
スリッページが起こる仕組みを図解の続きです。
Contents
スリッページを0に設定した場合
滑ることは許さない!
さて、前回の記事、「スリッページの仕組み」についてはよろしいでしょうか?
では次に、もし前回の注文で許容スリッページの設定を0にしていたらどうなっていたでしょう?
つまり、滑ることは許さない設定ね。
結果は部分決済を許可するかどうかで変わってくるわ。
部分決済許可
一部決済(または部分決済)を許可する設定にしていた場合はどうなるかな?
110円で売りの指値注文(100枚)をしたら、スリッページを許可していなくても50枚は決済されるわ。
他に邪魔するトレーダーがいなければな。
110円で買ってもいいよ~と言う注文は50枚しかないからね。
その通り。「買ってくれる人がいるから売ることが出来る」の原則だね。
買いポジションの決済(利益確定や損切り)は売りだからか。
そして今回の場合、残り50枚の注文は決済されず残ります。
部分決済不許可
一部決済を許可しない設定にしている場合はどうなるかしら。
110円で100枚すべてを決済できないのであれば、決済しないと言う注文方法ね。
これは一目瞭然ね。110円で買いたい人の注文は合計50枚しかないから決済できないわ。
つまり何も起こらない。約定拒否ってヤツだな。
この場合、取引は成立せず100枚全てが残ります。
FXで旅費を稼ぎながら全国を旅するトレーダーの手法
スリッページ:ここまでのまとめ
次の話に入る前に頭の中を整理しましょう。
細かい条件を挙げだしたらキリが無いので、ざっくりとまとめたわ。
スリッページ未設定
- 部分決済許可 メリット:最速で全て決済される
- 部分決済不許可 メリット:全て決済される
デメリット:少し滑る可能性
※この組み合わせは成行注文と同じになる
デメリット:枚数が揃ってから決済するので少し遅く、大きく滑る可能性がある
スリッページ0に設定
- 部分決済許可 メリット:滑らない
- 部分決済不許可 メリット:滑らない
デメリット:一部、又は全ポジションが決済されない可能性
デメリット:全ポジションが決済されない可能性
FXで旅費を稼ぎながら全国を旅するトレーダーの手法
損切りとスリッページ
ロスカットするとき約定拒否された場合
さて、ここまでよろしいでしょうか?
問題なのはここからよ。
スリッページや約定拒否。利益が出ているときは…
ちょっと悔しいな…
って程度で済みますが、これがロスカット(損切り)のケースだったらどうなるでしょうか?
マジメなあなたはストップを設定
前回と同じようにあなたはドル円を100円で100枚ロングしました。
あなたはリスク管理がキチンと出来るトレーダーなので、90円に逆指値(ストップ)を置いています。
そして、残念ながらレートが90円まで下がって来てしまい、ロスカットが発動します。
さて、この状況でスリッページの設定は決済にどのような影響を与えるでしょう?
あなたはリスク管理がキチンと出来るトレーダーなので、90円に逆指値(ストップ)を置いています。
そして、残念ながらレートが90円まで下がって来てしまい、ロスカットが発動します。
さて、この状況でスリッページの設定は決済にどのような影響を与えるでしょう?
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部分決済許可(スリッページ未設定)
摩擦係数0 いくらでも滑っていいですよ
部分決済は許可にしており、スリッページは特に設定していない状態。
いくらでも滑ることを容認しているってことね。
そのレートに達したら成行注文を発動する設定ですね。
あかりちゃんの言っていることが分からない人は前回記事参照。
スリッページが起こる仕組みを図解
スリッページを許容していたお陰で資金は守られました
ここまで根気よく読んできたあなたなら、この注文がどのように決済されるか分かるわよね。
まず、最初の50枚は指定通り90円で決済され、残りの50枚は80円で決済されます。
あなたと同じレートで売り注文を出しているトレーダーが他に居ない前提ね。
すると平均決済価格は85円で、5円滑ったことになるわ。
想定より損失が広がってしまったけど、現実はこんなもんよ。
うん。全く問題ないね。資金は守られたのでトレードは継続出来る。
また次のチャンスを待てばいいだけね。
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部分決済不許可(スリッページ未設定)
分割決済を嫌うタイプ
では、一部決済を許可しない設定にしていたらどうなるかな?
ちなみに100枚全てが決済されないなら取引しないって意味よ。
あなたが指定している90円には買ってもいいと言う注文の総数は50枚しかないので現在のレートでは取引されないわ。
でも、80円には50枚あるわね…両方足すと丁度100枚になるけど、この場合どうなるのかしら…
あらら、可愛そうに…部分決済を許可していなかったばっかりに、80円で100枚の取引が成立してしまったわ!
ってことは、90円で50枚買おうとしていたやつは10円得したってことだな。
業者によって決済のされ方が異なる
そうだね。90円に指値を置いていたトレーダーは得したね。
でも、この辺がどうやって約定するかは証券会社によって違うわ。
そう。だから部分決済を許可していなくても平均85円で売り抜ける場合もある。
いずれにしろ100枚の注文が揃った時点、つまり今回の場合だと90円と80円に置かれている注文が同時に約定するってことね。
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スリッページを設定(部分決済許可)
スリッページの設定ひとつでここまで変わる
次のケースよ。今まで未設定にしていたスリッページを設定した場合。
部分決済は許可にしておこうか。スリッページは5に設定していた場合を考えよう。
実際にはpips数なので500.0だけど、話を簡単にするため「ただの5」で。
5円しか滑ることを許可していないので、85円(90-5)より低いレートでの決済は許可しないってことね。
と言うことは、90円で50枚は決済されるけど、80円での決済は範囲外のため取引されずポジションは50枚残るわ。
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スリッページを設定(部分決済不許可)
ヤバイ(語源:いや危ない)
取引は成立しないぞ。もう説明不要だよな。
設定の組み合わせによって決済されるレートが変わったり、ポジションが残ったりすることはご理解頂けましたか?
ヤバイの語源が「いや危ない」だって言うのは初めて知ったわ。
しかも泥棒が使ってた隠語だったとはな…
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スリッページ:もう一度ここまでのまとめ
複雑になってきたように見えるけど、実はまとめると前回と同じになるわ。
前回のまとめと違うのは、設定したスリッページの値だけね。0が5になっただけ。
スリッページ未設定
- 部分決済許可 メリット:最速で全て決済される
- 部分決済不許可 メリット:全て決済される
デメリット:少し滑る可能性
※この組み合わせは成行注文と同じになる
デメリット:枚数が揃ってから決済するので少し遅い
大きく滑る可能性
スリッページ5に設定
- 部分決済許可 メリット:滑らない
- 部分決済不許可 メリット:滑らない
デメリット:一部、又は全ポジションが決済されない可能性
デメリット:全ポジションが決済されない可能性
0と5の違いは、許容する範囲が狭いか広いかだけで本質は同じよ。
0は「0pipsだけ滑ることを許容する(=許容しない)」と言い換えることが出来ます。
5は「5pipsだけ滑ることを許容する」ってこと。
スリッページの設定が命に関わる件
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